ビジネスメールでは、一つの案件だけで終わらず、関連する話題や別件について続けて伝えたい場面があります。
しかし、本題の途中で突然別の話を持ち出すと、相手が「どこから話題が変わったのか」を理解しにくくなったり、唐突な印象を与えたりすることがあります。
メールで別件を切り出すときは、本題を一区切りさせたうえで、「別件で恐縮ですが」「あわせて一点ご相談がございます」などの一言を入れると自然です。
例えば、取引先へのメールなら次のように書けます。
本件については以上となります。
別件で恐縮ですが、一点ご相談がございます。
来月のお打ち合わせ日程について、ご都合をお伺いできますでしょうか。
この記事では、ビジネスメールで別件を自然に切り出す方法を、相手別のフレーズや状況別の例文とともに解説します。
「別件ですが」の丁寧な言い換えや、同じメールに書くか別メールにするかの判断、件名の付け方についても紹介しますので、メールを書く際の参考にしてください。
メールで別件を自然に切り出す基本

別件を伝えるときに大切なのは、難しい敬語を使うことではありません。
相手が「ここから別の話題になる」とすぐ理解できるように文章を整理することが重要です。
別件は本題が一区切りしてから切り出す
別件は、本題が一区切りしてから切り出すのが基本です。
本題の途中で突然話題を変えると、相手が内容を追いにくくなり、どこまでが本題なのか分からなくなる場合があります。
例えば、本題について説明した後に、
本件については以上となります。
別件で恐縮ですが、一点確認させていただきたいことがございます。
と続ければ、話題が変わったことが明確になります。
文章だけでなく、本題と別件の間に改行を入れて段落を分けることも大切です。
「本題を締める→クッション言葉→別件」の順番で書く
別件へ自然に移るには、次の流れを意識すると分かりやすくなります。
- 本題を締めくくる
- クッション言葉を添える
- 別件の概要を伝える
- 詳細や依頼内容を書く
例えば、次のように書けます。
ご案内いただいた内容について、承知いたしました。
別件で恐縮ですが、次回のお打ち合わせについて一点確認させてください。
ご都合のよい日時をいくつかお知らせいただけますと幸いです。
「別件で恐縮ですが」という一言があることで、相手は話題が切り替わったことを自然に理解できます。
別件の内容と相手にしてほしいことを簡潔に伝える
別件を切り出した後は、何についての話なのかを早めに伝えましょう。
さらに、確認・回答・承認・資料送付など、相手に何をしてほしいのかを明確にすることも重要です。
例えば、
あわせて、来月の打ち合わせについて二点確認がございます。
1. ご都合のよい日時
2. ご参加予定の方
お分かりになる範囲でご回答いただけますと幸いです。
とすれば、相手も何について返信すればよいのか判断しやすくなります。
メールで別件を切り出すときに使えるフレーズ
別件の切り出し方は一つではありません。
相手との関係や話題の内容に合わせて表現を使い分けると、より自然なメールになります。
取引先・社外「別件で恐縮ですが」
取引先など社外の相手には、
別件で恐縮ですが、一点確認させていただきたいことがございます。
という表現が使いやすいでしょう。
「恐縮ですが」を加えることで、別の話題を持ち出すことへの配慮を示せます。
ほかにも、
本件とは別に、一点お伺いしたいことがございます。
続けてのお願いで恐れ入りますが、一点ご確認をお願いいたします。
といった表現があります。
上司「もう一点ご相談があります」
上司には、丁寧さを保ちながら要件を簡潔に伝えます。
- もう一点、ご相談があります。
- あわせて確認したい件があります。
- 別件になりますが、ご相談したいことがあります。
例えば、
ご確認いただきありがとうございます。
別件になりますが、来月の出張についてもご相談があります。
お時間をいただける日時を教えていただけますでしょうか。
とすると自然です。
社内「追加で一点確認があります」
日常的にやり取りしている社内メンバーなら、少し簡潔な表現でも問題ない場合があります。
- 追加で一点確認があります。
- もう一点確認です。
- あわせて、こちらも確認をお願いします。
ただし、社内であっても役職者への依頼や正式な申請などでは、丁寧な表現を選びましょう。
関連する話題「あわせて一点」
本題と関連する内容を追加する場合は、「別件」と言い切るより「あわせて」を使うと自然なことがあります。
あわせて一点、確認をお願いいたします。
あわせて、来月の予定についてもお伺いできますでしょうか。
本題と完全に別の話ではなく、関連事項を追加するときに使いやすい表現です。
別の話題「本件とは別に」
本題とは異なる話題であることを明確にしたい場合は、
本件とは別に、一点お伺いしたいことがございます。
と伝えられます。
相手が複数の案件を担当している場合など、話題を明確に区別したいときにも便利です。
「別件ですが」の言い換えと使い分け
「別件ですが」だけでも意味は伝わりますが、相手や状況によっては、もう少し丁寧な表現や自然な言い換えが適しています。
「別件で恐縮ですが」|取引先にも使いやすい
「別件で恐縮ですが」は、相手への配慮を示しながら別の話題を切り出せる表現です。
別件で恐縮ですが、来月の納品予定についてもご確認いただけますでしょうか。
取引先や目上の相手にも使いやすく、表現に迷った場合の選択肢になります。
「別件となりますが」|丁寧に話題を変える
「別件となりますが」も、話題の切り替えを明確にできる表現です。
別件となりますが、次回の会議について一点ご相談があります。
社内・社外を問わず使えますが、相手に負担をかけるお願いを続ける場合などは、「別件で恐縮ですが」「恐れ入りますが」としたほうが配慮を示しやすいでしょう。
「あわせて」|関連する内容を追加する
本題と関係のある内容なら、「あわせて」が自然です。
あわせて、当日の参加予定者についてもお知らせいただけますと幸いです。
「別件」というほど話題が離れていない場合に使いやすい表現です。
「なお」|補足事項を伝える
「なお」は、本文に関連する補足事項を追加するときに使えます。
なお、当日の資料については前日までに共有する予定です。
完全に別の案件へ話題を変えるというより、補足情報を伝える場合に向いています。
「ちなみに」「ところで」|社外メールでは使い方に注意
「ちなみに」「ところで」は会話でもよく使われるため、親しい社内メンバーとのメールなら自然な場合があります。
一方、取引先や初めて連絡する相手へのメールでは、カジュアルに感じられることがあります。
改まった場面では、
- 別件で恐縮ですが
- 本件とは別に
- あわせて一点
などを選ぶほうが無難です。
| 表現 | 丁寧さ | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 別件で恐縮ですが | 高い | 取引先・上司 |
| 別件となりますが | 高い | 社内・社外 |
| 本件とは別に | 高い | 別の案件を明確に示す場合 |
| あわせて | 標準~丁寧 | 本題に関連する内容 |
| なお | 標準 | 補足事項 |
| ちなみに | カジュアル | 親しい社内相手 |
| ところで | カジュアル | ビジネスでは慎重に使用 |
「別件ですが」の表現をさらに確認したい場合は、既存の「別件ですが」の丁寧な言い換え表現の記事も参考にしてください。
状況別|別件を切り出すメール例文
ここからは、実際のビジネスメールで使いやすい例文を状況別に紹介します。
確認したいことがある場合
本件については以上です。
別件で恐縮ですが、一点確認させてください。
来週の会議資料は、いつ頃共有予定でしょうか。
取引先など、より丁寧に伝えるなら、
ご案内いただいた内容について、承知いたしました。
別件で恐縮ですが、次回のお打ち合わせについて一点確認させてください。
ご都合のよい日時をいくつかお知らせいただけますと幸いです。
とすると自然です。
お願い・依頼をする場合
ご対応いただき、誠にありがとうございます。
あわせて一点お願いがございます。
納品予定日について、ご確認のうえご連絡いただけますと幸いです。
期限がある場合は、
恐れ入りますが、○月○日までにご回答いただけますと幸いです。
と具体的に伝えます。
相談したい場合
ご確認いただきありがとうございます。
別件になりますが、来月の出張についてもご相談があります。
お時間をいただける日時を教えていただけますでしょうか。
相談内容の概要を先に伝えることで、相手も対応を判断しやすくなります。
お礼メールから別件を切り出す場合
お礼を伝えた直後に別件へ移る場合は、お礼と別件が混ざらないように区切ります。
このたびは早急にご対応いただき、ありがとうございました。
おかげさまで予定どおり進めることができました。別件で恐縮ですが、来月の打ち合わせについて一点お伺いしたいことがございます。
ご都合のよい日時をお知らせいただけますでしょうか。
まずお礼をきちんと伝え、その後に別件へ移ることがポイントです。
謝罪メールで別件を伝える場合
謝罪が必要なメールでは、別件を先に出さず、まず謝罪や必要な説明を済ませましょう。
このたびは、資料の送付が遅くなり誠に申し訳ございません。
今後は確認体制を見直し、再発防止に努めてまいります。本件とは別に一点、ご確認をお願いしたい事項がございます。
来週のお打ち合わせ日時について、ご都合をお知らせいただけますでしょうか。
ただし、謝罪内容が重大な場合は、無理に別件を同じメールへ入れず、メールを分けたほうが適切なこともあります。
日程調整について別件で聞く場合
本件については以上となります。
あわせて、次回のお打ち合わせ日程についても確認させてください。
○月○日または○月○日の午後で、ご都合はいかがでしょうか。
候補日時を具体的に示すと、相手が回答しやすくなります。
別件は同じメールに書く?それともメールを分ける?

すべての別件を一通のメールにまとめるのが適切とは限りません。
「一つの件名で内容を表せるか」「受け取った相手が管理しやすいか」を基準に考えると判断しやすくなります。
関連する内容なら同じメールでもよい
例えば、納品日の確認に続けて納品方法について質問するなど、同じ案件に関連する内容であれば、一通のメールにまとめても分かりやすいでしょう。
相手も一度の確認で対応できるため、やり取りを効率よく進められます。
別案件・別担当者ならメールを分ける
次のような場合は、メールを分けることを検討しましょう。
- 件名が変わる内容
- 完全に別の案件やテーマ
- 担当部署や担当者が異なる
- 対応期限や優先度が大きく異なる
- 後から個別に検索・参照する可能性が高い
メールは後から業務記録として見返す場合があります。
別案件を無理に一通へまとめるより、それぞれに適した件名を付けたほうが管理しやすくなります。
複数の用件がある場合は最初に件数を伝える
最初から複数の用件を伝えることが分かっている場合は、
本日は、以下の2点についてご連絡いたしました。
と冒頭で件数を示す方法があります。
その後、
1. ○○について
2. △△について
と整理すれば、相手が全体像を把握しやすく、回答漏れも防ぎやすくなります。
メールを続けて2通送るときのマナー
一通目を送った直後に別件を思い出した場合、内容が大きく異なるなら別メールとして送る方法があります。
その際は、
続けてのご連絡となり失礼いたします。
度々のご連絡で恐れ入ります。
などを冒頭に添えると丁寧です。
ただし、毎回謝罪を長く書く必要はありません。簡潔に前置きして、本題を分かりやすく伝えましょう。
別件を入れるときのメール件名はどうする?
別件を伝える場合は、本文だけでなく件名にも注意しましょう。
件名と本文が大きく食い違っていると、相手が後からメールを探しにくくなります。
同じメール内で別件を伝える場合
本題と別件に関連性があり、一通にまとめる場合は、主要な内容が分かる件名にします。
例えば、
件名:納品予定日の確認および打ち合わせ日程について
のように、重要な二つの内容を示す方法があります。
ただし、件名を長くしすぎると読みづらくなるため、簡潔さも意識しましょう。
別メールとして送る場合
別案件としてメールを分けるなら、新しい内容に合った件名を付けます。
例えば、
件名:○月度打ち合わせ日程のご相談
件名:○○資料ご確認のお願い
など、メールを開かなくても内容を想像できる件名が分かりやすいでしょう。
以前のメールへの返信を利用して、まったく異なる案件を送ると、後から検索しにくくなることがあります。
複数の用件がある場合の件名例
複数の用件を一通にまとめる場合は、
【2点ご確認】納品日・打ち合わせ日程について
○○のご確認/△△のご相談
など、複数の内容が含まれていることが分かる件名も使えます。
相手に伝わりやすい別件メールを書くポイント
別件の切り出し方が丁寧でも、依頼内容が分かりにくければ、確認や返信に時間がかかります。
相手が短時間で理解できる文章を意識しましょう。
相手にしてほしいことを明確にする
メールを書く前に、「読んだ相手に何をしてほしいのか」を整理します。
例えば、
- 内容を確認してほしい
- 質問に回答してほしい
- 承認・判断してほしい
- 資料を送ってほしい
- 情報共有のみで返信は不要
といった目的があります。
「ご確認ください」だけで終わらず、何を確認して、どう対応してほしいのかまで示すと親切です。
質問が複数ある場合は番号を付ける
複数の質問を一つの段落に詰め込むと、一部だけ回答されてしまうことがあります。
別件について、以下の二点をご確認いただけますでしょうか。
1. 打ち合わせの希望日時
2. 当日の参加予定者
のように番号を付けると、相手も項目ごとに回答できます。
期限がある場合は具体的な日付を書く
「早めにお願いします」では、いつまでに回答すればよいのか分かりません。
○月○日までにご回答いただけますと幸いです。
のように具体的な期限を示しましょう。
本題と別件で期限が違う場合は、それぞれの期限を分けて書きます。
本題と別件を段落で分ける
別件に入る前後で改行するだけでも、メールは読みやすくなります。
本題と別件の境界が見た目でも分かれば、読み飛ばしや混同を防ぎやすくなります。
返信不要ならその旨を伝える
情報共有だけが目的なら、
ご確認のみで、返信は不要です。
修正が必要な場合のみご連絡ください。
などと書くことで、相手の負担を減らせます。
別件を切り出すときの注意点
別件を自然に伝えるには、丁寧さだけでなく、読みやすさや話題の優先順位にも注意が必要です。
唐突に話題を変えない
例えば、
ところで、あともう一つ別の話なんですが……
と突然話題を変えると、ビジネスメールではカジュアルすぎる印象になる場合があります。
本題を一区切りさせてから、
本件については以上です。
別件で恐縮ですが……
とつなげると自然です。
「ちなみに」「ところで」を社外で多用しない
「ちなみに」「ところで」が間違った表現というわけではありません。
ただし、会話的な印象が強いため、取引先や初対面の相手など改まった場面では慎重に使いましょう。
丁寧にしようとして敬語を重ねすぎない
丁寧にしようとするあまり、敬語を重ねすぎると文章が読みにくくなります。
例えば、「ご確認していただけますでしょうか」より、
ご確認いただけますでしょうか。
ご確認をお願いいたします。
のほうが自然です。
一通のメールに別件を詰め込みすぎない
一通のメールに多くの質問や案件を入れると、回答漏れや対応の遅れにつながることがあります。
複数の内容を伝える場合は、番号や箇条書きを使って整理しましょう。
内容が大きく異なる場合は、メールそのものを分けることも検討します。
1通のメールで複数の内容を伝える場合は、複数の用件を読みやすく整理するメールの書き方もあわせて確認しておくとよいでしょう。
謝罪や重要事項より別件を優先しない
謝罪や緊急性の高い内容が本題の場合は、まずその内容を明確に伝えることが大切です。
別件を同じメールに入れることで本題が薄れてしまうようなら、別メールに分けましょう。
別件メールでよくある質問
別件は何件まで同じメールに書いていい?
明確に「何件まで」という決まりがあるわけではありません。
重要なのは件数よりも、相手が一読して理解・対応できるかどうかです。
複数の別件があり、担当者・期限・テーマが異なる場合は、メールを分けたほうが管理しやすくなります。
返信メールの途中で別件を切り出してもいい?
本題への返信を済ませた後であれば、別件を続けても問題ない場合があります。
その際は、
ご質問の件については以上となります。
別件で恐縮ですが……
など、話題が切り替わることを明確にしましょう。
まったく異なる案件の場合は、新しいメールにしたほうが分かりやすいこともあります。
別件でもう一通メールを送るのは失礼?
別件でメールを分けること自体が失礼になるわけではありません。
むしろ、内容が大きく異なる場合は、件名を分けたほうが相手が管理しやすくなります。
直前にもメールを送っている場合は、
続けてのご連絡となり恐れ入ります。
などと簡潔に添えると丁寧です。
「別件で恐縮ですが」は目上の人にも使える?
「別件で恐縮ですが」は、上司や取引先などにも使いやすい丁寧な表現です。
ただし、その後に続く依頼内容も相手との関係性に合わせて整えましょう。
例えば、
別件で恐縮ですが、一点ご相談させていただきたく、ご連絡いたしました。
などと続けられます。
「ちなみに」「ところで」はビジネスメールで失礼?
必ず失礼になるわけではありませんが、会話的でカジュアルな印象があります。
日頃からやり取りしている社内メンバーなどには使える場合がありますが、取引先や目上の相手には「別件で恐縮ですが」「あわせて」などの表現を選ぶほうが安心です。
別件が重要な内容ならメールを分けたほうがいい?
重要な別件について個別の回答や対応が必要な場合は、別メールにするメリットがあります。
専用の件名を付けられるため、相手が見落としにくく、後から検索・管理しやすくなるためです。
「同じメールに入れたほうが相手にとって分かりやすいか」を基準に判断しましょう。
まとめ|メールの別件は相手が理解しやすい形で切り出そう

ビジネスメールで別件を切り出すときは、「本題を終える→クッション言葉を入れる→別件の概要を示す→相手にしてほしいことを伝える」という流れを意識すると自然です。
取引先や目上の相手なら「別件で恐縮ですが」、関連する内容なら「あわせて一点」など、相手や話題に合わせて表現を選びましょう。
また、すべての別件を一通のメールにまとめる必要はありません。別案件や担当者が異なる内容、後から個別に管理する必要がある内容なら、メールを分けたほうが相手にとって分かりやすい場合があります。
別件の切り出し方は、単なる言葉遣いだけの問題ではありません。相手が短時間で内容を理解し、迷わず対応できるメールにすることが大切です。

