スマートフォンを使っていて「電波が届かない場所にいるか、電源が入っていないため」という表示を目にしたことはありませんか？
この表現、実は便利なようで、すこし分かりにくいもの。そもそも「電波が届かない」ってどういうこと？なぜそんな場所があるの？
この記事では、そんな疑問を解決すべく、電波の伝わり方や影響する要因、何をすれば改善できるのかなど、「電波が届かない」現象の裏側に切り込んでいきます。
「なぜ今、通信できないのか」を理解する手がかりとして、ひとつのヒントを得ていだければ幸いです。
「電波が届かない」という状態とは？
電波が届かない場所とは具体的にどこか？
電波が届きにくい、あるいはまったく届かない場所には共通する特徴があります。
以下のような場所では、通信キャリアの基地局からの電波がうまく届かず、スマートフォンが圏外になりやすくなります。
- 地下鉄や地下街：コンクリートに囲まれ、地上からの電波が届きにくい
- 山間部や海上：基地局が近くに存在しない、または障害物が多い
- 高層ビルの奥やエレベーター内：建材による電波の遮断、反射の影響
- 厚い壁や金属構造の建物内：電波を吸収・反射する素材が多用されている
都市部であってもビルの谷間や密集した住宅街などでは、予想以上に電波状況が不安定になることもあります。
意外と盲点なのが、ビルの非常階段や倉庫など、普段あまり使われない空間です。
電源が入っていない場合の電話の反応
相手のスマートフォンが電源オフの状態にある場合、電話をかけても呼び出し音が一切鳴らず、すぐにガイダンスメッセージが流れます。
たとえば、「電源が入っていないか、電波の届かない場所にいるため、つながりません」といった内容です。
この場合、スマホの電源が完全にオフであるか、バッテリー切れ、あるいは長時間未使用による自動シャットダウンが考えられます。
特に高齢の家族や子どもがスマホを使用している場合、こうした電源の状態に気づかないことも多いため、注意が必要です。
圏外の原因とその影響
「圏外」とは、スマートフォンがモバイル通信ネットワークに接続できない状態を指します。
この状態になると、電話の発着信やSMS、モバイルデータ通信すべてが利用不可となります。
圏外になる主な原因は以下のとおりです。
- 地理的条件や建物による電波の遮断
- SIMカードの接触不良や経年劣化
- モバイルネットワークの設定ミス（例：ネットワークモードの誤設定）
- 通信会社側の一時的な障害
電波が弱い場所で長時間過ごしていると、スマートフォンがバッテリーを余分に消耗してしまうこともあります。
そのため、端末の寿命にも悪影響を与えることがあります。
特に旅行中や災害時など、通信手段が限られる場面では、圏外状態が深刻な問題になる可能性もあります。
「こちらはNTTドコモです」とは？
NTTドコモの番号に発信した際、「こちらはNTTドコモです。おかけになった電話は、電源が入っていないか、電波の届かない場所にあるため、現在おつなぎできません」といったアナウンスが流れることがあります。
このメッセージが流れる場合、多くは相手の端末が通信圏外または電源オフになっていることを示しています。
ドコモの音声ガイダンスは比較的明確で、着信拒否の際には異なるメッセージが流れるため、状況の切り分けがしやすいのが特徴です。
「こちらはソフトバンクです」とは？
ソフトバンクの番号に発信した際も、似たようなアナウンスが流れます。
例：「こちらはソフトバンクです。おかけになった電話は現在電源が入っていないか、電波の届かない場所にあるため…」。
このような自動応答が流れる場合は、相手のスマホが圏外であるか、電源がオフである可能性が高いと考えられます。
なお、ソフトバンクはiPhoneユーザーが多いため、「おやすみモード」や「集中モード」による通知制限も関係している場合があります。
電話が繋がらない理由
着信拒否の可能性とその確認方法
相手が着信拒否を設定している場合、電話をかけた際にすぐ切れる、または一瞬だけ呼び出し音が鳴って切れるといった反応が見られます。
また、留守番電話サービスに自動転送されることもあります。
何度か時間を変えて電話しても、同じような反応が続く場合は、着信拒否の可能性が高いといえます。
LINEやSMSなど他の連絡手段で一度確認してみると、誤解を避けるうえでも有効です。
電波の届かないところでのトラブルシューティング
スマートフォンが圏外になってしまったとき、焦らず次のような対策を試してみましょう。
- 屋外や建物の窓際に移動して再接続を試みる
- 機内モードを一度オンにしてからオフにする（通信リセット）
- スマートフォンの再起動
- SIMカードの抜き差し、および端子の清掃
- 利用中の通信会社の公式サイトやSNSで障害情報を確認
特に電波状況が不安定な場所にいるときは、数メートル移動するだけで圏内になることもあるため、位置を変えてみるのも効果的です。
相手の電源が入っていない場合の見分け方
電話をかけた際にすぐアナウンスが流れ、呼び出し音が鳴らない場合、相手のスマートフォンが電源オフになっているか、長時間通信圏外にいる可能性があります。
ただし、これは着信拒否や通信障害時とも類似の反応を示すため、完全に断定することは難しいです。
LINEやメール、SNSなど別の手段で相手に連絡を取ってみると、状況の把握に役立ちます。
通話がつながらないと、「自分が拒否されているのでは？」と不安になることもあります。
しかし実際には、通信状況や端末の状態による一時的なものが大半です。
落ち着いて原因を確認し、状況に応じた対策を取ることで、スムーズな連絡が再開できるでしょう。
スマートフォンがますます生活に欠かせない今だからこそ、こうした基本的な知識を身につけておくことが大切です。
電波状況のチェック方法
携帯電話での電波確認手順
スマートフォンの電波状態を確認する最も基本的な方法は、画面右上に表示されるアンテナマークをチェックすることです。
このアンテナの本数が少なければ少ないほど、通信環境が不安定であることを示しており、”圏外”と表示されていれば完全に通信が遮断されている状態です。
特に移動中や建物の奥まった場所などでは、このような状況が起こりやすくなります。
加えて、スマートフォンの「設定」アプリから「モバイルネットワーク」や「通信事業者」の項目にアクセスすれば、接続中のネットワークの状態や選択可能な回線を手動で確認・切り替えることも可能です。
これにより、一時的な通信トラブルを回避できることがあります。
位置情報サービスを活用した電波調査
現在地の電波状況をより正確に把握したい場合は、Googleマップや通信キャリアが提供しているエリア確認アプリが役立ちます。
ドコモ・au・ソフトバンクといった主要通信キャリアは、公式サイト上でサービスエリアマップを公開しており、屋内外の電波カバー状況を確認できます。
さらに、これらのマップでは「4G対応」「5G対応」といった回線の種類も確認でき、今後のエリア拡張予定も掲載されていることがあります。
また、「Speedtest」や「OpenSignal」などのアプリを使えば、実際の通信速度や安定性、PING値などをリアルタイムで測定できるため、体感的な通信品質を把握するためにも有効です。
これらの情報を日常的に確認しておくと、急な電波障害にも冷静に対処しやすくなります。
電波が届かない場合の対策
SMSやメッセージでの連絡方法
通話が不可能な状況下でも、SMS（ショートメッセージサービス）は非常に有用です。
これは音声通話よりも必要とする通信帯域が狭く、わずかな電波でも送信できるからです。
緊急時や一時的に通信環境が悪い場所では、簡潔に要件を伝える手段として非常に優れています。
また、LINE・Messenger・InstagramのDMなど、インターネットを利用したメッセージアプリもWi-Fiさえあれば問題なく使用できます。
特に、Wi-Fi環境が整っている自宅や公共施設では、こうした手段が強力な代替手段となるでしょう。
代替手段としてのWi-Fi通話
近年多くのスマートフォンが対応しているWi-Fi通話（VoWiFi）は、モバイル回線が圏外になっていてもインターネットを通じて通話が可能な機能です。
自宅や職場、カフェなどのWi-Fi環境を活用することで、携帯電波が弱い場所でもスムーズな通話が可能になります。
設定方法も簡単で、「設定」アプリ内の「モバイルネットワーク」または「接続」セクションにWi-Fi通話の項目があり、これを有効にするだけで利用できます。
建物の構造や周囲の障害物によってモバイル電波が届きにくい場所では、この方法が非常に効果的です。
Wi-Fi通話を活用することで、通信トラブルのストレスを大きく軽減することができます。
時間帯による電波の影響について
電波の品質は、実は時間帯によっても変動します。
朝の通勤時間帯（7～9時）、昼休み（12～13時）、夕方の帰宅時間帯（17～19時）など、多くの人がスマートフォンを使用するタイミングでは、基地局に負荷がかかり、通信速度が低下したり接続が不安定になったりします。
これは都市部だけでなく、地方でも共通して発生しうる現象です。
特定の時間帯に通信が悪くなる傾向がある場合は、使用タイミングを少しずらすことで状況が改善される可能性があります。
また、基地局の近くや、電波が通りやすい場所に移動することも一つの対策となります。
日常的に「いつ」「どこで」電波が悪くなるのか傾向をつかんでおくことも、通信環境の改善につながります。
質問・相談がある場合の対応
アナウンスに従った対応方法
電話が繋がらなかった場合、通信キャリアから「こちらは◯◯です。ただいま電波の届かない場所にいるか、電源が入っていないため…」という内容の自動音声が流れることがあります。
このアナウンスは、相手が一時的に通話可能でない状態であることを知らせるもので、特定のトラブルというわけではありません。
こうした場合は、焦らずに案内に従いましょう。
たとえばSMSを送って要件を伝えたり、時間をあけて再度電話をかけることで、連絡が取れるケースも多いです。
アナウンスの内容を聞き逃さないよう、冷静に行動することが重要です。
着信履歴の確認とフォローアップ
電話が繋がらなかったとしても、相手が自分に発信してくれた場合、スマートフォンの着信履歴にその記録が残ります。
これを確認することで、誰がいつ連絡してきたのかを把握できます。
特にビジネスシーンでは、折り返しのタイミングが印象に大きく影響するため、早めにフォローアップを行うことが大切です。
また、留守番電話にメッセージが残っている可能性もあるため、着信履歴だけでなく音声メッセージの確認も欠かさず行いましょう。
お礼や問い合わせのメッセージ例
電話が繋がらなかった、もしくは折り返しの連絡が遅れてしまった場合には、相手に対して誠意を持ったメッセージを送ることで、印象を損ねずに済みます。
たとえば、以下のようなメッセージが適切です：
「先ほどはお電話いただき、ありがとうございました。 電波の状況が悪く出られず申し訳ありません。 改めてこちらからご連絡させていただきます。」
このように簡潔ながらも気遣いのある一言を添えることで、相手に安心感を与えることができます。
状況に応じて内容をアレンジし、丁寧な対応を心がけましょう。
このような対応方法やチェックポイントを知っておくだけで、電波に関するトラブルが起きた際にも、冷静かつ的確に行動できるようになります。
普段からこれらの対策を意識しておくことで、いざというときの備えとなります。
ぜひご自身のスマートフォンの設定や使用環境を見直し、快適な通信環境を整える参考にしてください。
