「含め煮(ふくめに)」という料理名を聞いて、普通の煮物とは何が違うのだろうと思ったことはありませんか?
煮物や煮しめ、煮付けなど、和食には似た名前の料理がいくつもあります。
どれも食材を煮て作る料理なので、違いがわかりにくいですよね。
含め煮とは、だしや調味料を使った煮汁の味を、食材にじっくり含ませるように仕上げる煮物のことです。
高野豆腐やしいたけ、かぼちゃ、里芋など、身近な食材を使って家庭でも作ることができます。
ただし、味をしっかり付けたいからといって、長時間煮込めばよいというわけではありません。
食材に合った下ごしらえや火加減、煮汁の使い方が大切です。
この記事では、含め煮の意味や煮物・煮しめとの違いをはじめ、基本的な作り方や味をしみ込ませるコツをわかりやすく紹介します。
「煮物の味が薄くなってしまう」「野菜が煮崩れてしまう」という方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
含め煮とは?意味と読み方をわかりやすく解説

含め煮は、日本料理で使われる煮物の調理法の一つです。
料理名だけを見ると少し難しそうに感じますが、基本的な考え方はシンプルです。
食材をだしや調味料で煮て、その味を含ませながら仕上げます。
特別な調理道具が必要なわけではなく、普段使っている鍋でも作れる料理です。
まずは、含め煮の読み方や特徴から確認していきましょう。
含め煮の読み方と基本的な意味
含め煮は「ふくめに」と読みます。
名前にある「含める」とは、食材に煮汁の味を含ませることを表しています。
一般的には、だし汁にしょうゆやみりん、砂糖などを加え、食材を煮て作ります。
例えば、高野豆腐の含め煮は、噛むと煮汁がじゅわっと広がるのが特徴です。
高野豆腐には、煮汁を吸いやすい細かな空間があるため、だしの風味を楽しみやすくなります。
一方、里芋やかぼちゃなどの野菜は、高野豆腐と同じように煮汁を吸うわけではありません。
食材の組織や厚さ、加熱時間などによって、調味料の味がなじむ程度は変わります。
つまり、含め煮は単に食材を長く煮る料理ではなく、食材の特徴に合わせて煮汁の味を含ませることを意識した料理なのです。
含め煮はどんな味?普通の煮物との共通点
含め煮は、だしのうま味を生かした、やさしい味付けで作られることが多い料理です。
かつおだしや昆布だしに、しょうゆやみりんなどを合わせると、和食らしい風味に仕上がります。
ただし、含め煮は必ず薄味というわけではありません。
例えば、しいたけの含め煮では甘辛い味付けにすることもありますし、野菜の含め煮では素材の甘みを生かすこともあります。
家庭によって味付けが異なるのも、含め煮の魅力の一つです。
また、普通の煮物と同じように、ご飯のおかずや副菜として食卓に並べられます。
「含め煮」という名前でも、普段の家庭料理と大きく離れた特別な料理ではありません。
いつもの煮物を作るときにも、煮汁の味を食材になじませることを意識すると、含め煮の考え方を取り入れられます。
含め煮と煮物・煮しめ・煮付けの違い
含め煮とよく似た料理名に「煮物」「煮しめ」「煮付け」があります。
いずれも食材を煮て作る料理ですが、言葉の意味や調理の特徴に違いがあります。
ただし、日本料理の呼び方には地域や家庭による違いもあり、明確に分けられない場合もあります。
それぞれの一般的な特徴を知っておくと、料理本やレシピに出てきたときにも理解しやすくなりますよ。
含め煮と普通の煮物の違い
煮物とは、野菜や肉、魚などを水やだし、調味料などで煮て作る料理の総称です。
例えば、肉じゃがや大根の煮物、里芋の煮物などは、家庭でもよく作られていますよね。
含め煮も、この煮物の仲間です。
違いは、含め煮では特に食材へ煮汁の味を含ませることを意識している点にあります。
含め煮は煮物の一種ですが、すべての煮物が含め煮と呼ばれるわけではありません。
例えば、肉じゃがは具材を煮て味付けする料理ですが、一般的にはそのまま「肉じゃが」と呼びます。
一方、高野豆腐をだしで煮て、ふっくらと味を含ませた料理は「高野豆腐の含め煮」と呼ばれることが多くあります。
料理名だけで判断するのではなく、どのように味を付けて仕上げるのかを見ると、違いがわかりやすくなります。
煮しめについてさらに詳しく知りたい方は、煮しめの意味や筑前煮との違いも参考にしてみてください。
含め煮と煮しめの違い
煮しめは、野菜やこんにゃく、しいたけなどを調味した煮汁でじっくり煮る料理です。
お正月のおせち料理や、お祝いの席で見かけることも多いですよね。
一般的に煮しめは、煮汁を煮詰めながら食材にしっかりと味を付け、煮汁を少なくして仕上げることが多い料理です。
一方、含め煮では食材に煮汁の味を含ませることを重視します。
違いを簡単にまとめると、次のようになります。
・ 含め煮: だしや調味料の味を食材に含ませることを意識する
・ 煮しめ: 野菜などをじっくり煮て味を付け、煮汁を煮詰めて仕上げることが多い
ただし、煮しめも地域や家庭によって作り方が異なります。
煮汁をある程度残すものもあれば、素材の味を生かして仕上げるものもあります。
農林水産省が紹介する郷土料理にも、煮汁をじっくり煮詰める煮しめや、具材を煮含める作り方が見られます。
例えば、宮崎県の煮しめでは煮汁が少なくなるまで煮る方法が紹介されている一方、福島県には煮汁を使って仕上げる「つゆ煮しめ」という料理もあります。
そのため、「含め煮は薄味、煮しめは濃い味」と単純に分けるのではなく、それぞれの調理の特徴として理解しておくとよいでしょう。
含め煮と煮付けの違い
煮付けは、魚などの食材をしょうゆや砂糖、みりんなどを使った煮汁で煮て、味を付ける料理です。
代表的なものには、カレイの煮付けや金目鯛の煮付けがあります。
魚の煮付けでは、調味した煮汁を魚にかけながら煮たり、煮汁を煮詰めて表面に味をまとわせたりする作り方があります。
一方、含め煮は煮汁の味を食材に含ませることを意識した料理です。
ただし、煮付けでも食材の内部に味がなじむことはありますし、含め煮でも煮汁を煮詰める場合があります。
どちらも煮物の仲間なので、共通する部分があるのは自然なことです。
「煮付けは魚などに調味した煮汁で味を付ける料理」「含め煮は煮汁の味を含ませることを重視した料理」と覚えておくと、違いをイメージしやすいでしょう。
4つの料理の違いを比較表で確認
ここまで紹介した4つの料理について、特徴を比較表にまとめました。
| 料理名 | 主な特徴 | 代表的な料理 |
|---|---|---|
| 含め煮 | 煮汁の味を食材に含ませる | 高野豆腐の含め煮 |
| 煮物 | 食材を煮て作る料理の総称 | 肉じゃが、大根の煮物 |
| 煮しめ | 野菜などをじっくり煮て味付けする | おせちの煮しめ |
| 煮付け | 調味した煮汁で食材に味を付ける | カレイの煮付け |
この表は、一般的な特徴を整理したものです。
料理によっては複数の呼び方が当てはまることもあり、煮汁の量や味付けだけで厳密に区別できるわけではありません。
迷ったときは、含め煮も煮しめも煮付けも、広い意味では煮物の仲間であることを思い出してみてくださいね。
含め煮によく使う食材とおすすめの料理
含め煮には、さまざまな食材が使われます。
高野豆腐や麩などの乾物から、しいたけ、かぼちゃ、里芋といった身近な食材まで、選択肢は豊富です。
ただし、すべての食材が同じように煮汁を含むわけではありません。
食材によって戻し方や煮る時間、注意するポイントが異なります。
まずは、含め煮でよく使われる食材の特徴を見ていきましょう。
高野豆腐や麩の含め煮
高野豆腐は、含め煮の代表的な食材です。
だしを使って煮ると、ふっくらとした食感になり、口に入れたときに煮汁の風味が広がります。
高野豆腐には、ぬるま湯などで戻して使うタイプと、戻さずに煮られるタイプがあります。
商品によって調理方法が違うため、パッケージの表示を確認することが大切です。
また、煮汁を吸いやすいので、煮汁が極端に少なくならないよう注意しましょう。
麩も、煮汁の味を楽しみやすい食材です。
汁物に使うことが多い麩ですが、種類によっては含め煮にしてもおいしく食べられます。
ただし、煮すぎると柔らかくなりすぎたり、形が崩れたりすることがあります。
麩の種類に合った戻し方と加熱時間を確認して使うとよいでしょう。
しいたけの含め煮
しいたけの含め煮も、和食で親しまれている料理です。
特に干ししいたけは、戻すことで独特のうま味や香りを楽しめます。
干ししいたけを使う場合は、水で十分に戻してから調理します。
厚みがあるものは戻るまでに時間がかかるため、使用する商品の説明も参考にしましょう。
水で戻す際は、衛生面に配慮して冷蔵庫で戻す方法もあります。
戻し汁にはしいたけの風味が含まれているので、煮汁に利用するレシピもあります。
ただし、細かな汚れや異物が気になる場合は、こしてから使うとよいでしょう。
戻し汁を使う場合も、料理に合わせて十分に加熱することが大切です。
しいたけの含め煮は、そのまま副菜として食べるほか、ちらし寿司やそうめんの具に使う方法もあります。
一つの食材でも食べ方を変えられるので、普段の献立にも取り入れやすいですよ。
かぼちゃや里芋など野菜の含め煮
かぼちゃや里芋などの野菜も、含め煮に使われます。
かぼちゃは自然な甘みがあり、だしと合わせることで素材の味を生かしやすい食材です。
ただし、柔らかくなると崩れやすいため、強火で煮続けたり、何度もかき混ぜたりしないようにしましょう。
里芋は、ねっとりとした食感が特徴です。
皮をむいて食べやすい大きさに切り、だしや調味料で煮ると、やさしい味わいに仕上がります。
また、大根やにんじんなどを使う含め煮もあります。
根菜は大きさや厚さによって中心まで火が通る時間が変わるため、必要に応じて下ゆでをするなど、食材に合わせた準備が大切です。
野菜の含め煮では、単に長く煮るよりも、柔らかさと味のバランスを見ながら仕上げることがポイントになります。
含め煮に向いている食材を一覧表で紹介
代表的な食材の特徴と、調理するときのポイントを一覧表にまとめました。
| 食材 | 特徴 | 調理のポイント |
|---|---|---|
| 高野豆腐 | 煮汁を含みやすい | 商品に合った戻し方をする |
| 麩 | ふんわりした食感 | 煮すぎに注意する |
| 干ししいたけ | うま味と香りが豊か | 十分に戻してから煮る |
| かぼちゃ | 自然な甘みがある | 煮崩れを防ぐ |
| 里芋 | ねっとりした食感 | 柔らかさを確認する |
| 大根 | だしと合わせやすい | 厚さや下ゆでを工夫する |
初めて作る場合は、食材を一種類に絞ると、火の通り方や味の変化がわかりやすくなります。
高野豆腐なら煮汁を含んだ食感を楽しめますし、かぼちゃなら普段のおかずとして取り入れやすいでしょう。
含め煮の基本的な作り方と味付けのポイント

含め煮の作り方は、使用する食材によって細かな手順が変わります。
ただし、基本の流れを覚えておけば、さまざまな食材で応用できます。
大まかには、食材の下ごしらえをして、だしと調味料を用意し、火加減に注意しながら煮て、最後に味をなじませるという手順です。
ここでは、家庭で調理するときに押さえておきたいポイントを順番に紹介します。
1. 食材に合わせて下ごしらえをする
まずは、使う食材に合った下ごしらえをします。
例えば、高野豆腐や干ししいたけなどの乾物は、商品の説明に合った方法で戻すことが大切です。
戻し方が十分でないと、食感や火の通り方に影響することがあります。
かぼちゃや里芋などの野菜は、食べやすい大きさに切っておきます。
同じ食材を一緒に煮る場合は、大きさや厚さをある程度そろえると、火の通り方のばらつきを抑えやすくなります。
また、大根などの根菜では、食材やレシピに応じて下ゆでをすることがあります。
下ゆでには、食材をあらかじめ柔らかくするなどの役割があります。
すべての食材に同じ下ごしらえが必要なわけではないので、使う材料に合わせて準備しましょう。
2. だしと調味料で煮汁を用意する
次に、煮汁を用意します。
含め煮では、だし汁にしょうゆやみりん、砂糖などを合わせる作り方がよく見られます。
基本的な材料は次のとおりです。
・ だし汁
・ しょうゆ
・ みりん
・ 砂糖
・ 必要に応じて料理用の調味料
ただし、すべての調味料を必ず使う必要はありません。
例えば、かぼちゃの甘みを生かしたい場合は、砂糖を控えめにするレシピもあります。
一方、しいたけの含め煮では、甘辛い味付けにすることもあります。
初めて作る場合は、食材に合ったレシピの分量を参考にすると、味付けのバランスを取りやすくなります。
味付けを変えるときも、一度に大きく変えるのではなく、少しずつ調整するとよいでしょう。
なお、煮汁は加熱中に水分が蒸発して、味が濃くなることがあります。
最初の味だけでなく、仕上がりの濃さも考えておきましょう。
3. 火加減に注意しながら柔らかく煮る
煮汁を用意したら、食材を入れて加熱します。
煮るときの火加減は食材によって異なりますが、煮汁が沸いた後は火を弱め、食材の状態を見ながら加熱する方法がよく使われます。
強火で激しく沸騰させ続けると、煮汁が急速に減ったり、柔らかい食材が崩れたりすることがあります。
特にかぼちゃなどの野菜は、煮崩れに注意したい食材です。
また、煮汁が全体に回りにくい場合は、落としぶたを使う方法もあります。
落としぶたをすると、煮汁が食材の表面にも回りやすくなり、少なめの煮汁でも調理しやすくなる場合があります。
ただし、食材の種類や鍋の大きさによって適した方法は異なります。
煮ている途中で何度もかき混ぜるよりも、食材の状態を確認しながら丁寧に加熱するとよいでしょう。
4. 煮汁の中で味をなじませる
食材が柔らかくなったら、煮汁の味がどのくらいなじんでいるかを確認します。
料理によっては、火を止めた後も食材を煮汁の中に置き、味を落ち着かせることがあります。
例えば、高野豆腐のように煮汁を含みやすい食材では、煮汁の中で仕上げることが、食感や味わいに関係します。
ただし、冷ますだけでどんな食材にも同じように味がしみるわけではありません。
食材の厚さや組織、加熱時間、煮汁の濃さなど、さまざまな条件が関係します。
また、味をなじませるために、室温で長時間置きっぱなしにすることは避けましょう。
すぐに食べない場合は、衛生面にも注意して適切に冷却・保存することが大切です。
煮物を保存するときは、清潔で浅い容器などに小分けし、できるだけ速やかに温度を下げて冷蔵庫に入れるとよいでしょう。
含め煮に味をしみ込ませる5つのコツ
含め煮をおいしく仕上げるには、調味料の量だけでなく、食材の切り方や加熱の仕方も重要です。
「煮ているのに味が薄い」「長く煮ると形が崩れる」というときは、調理方法を少し見直してみましょう。
ここでは、家庭で実践しやすい5つのコツを紹介します。
食材の大きさや厚さをそろえる
まず意識したいのが、食材の切り方です。
大きさや厚さがばらばらだと、火の通り方にも差が出やすくなります。
例えば、同じ鍋で大きなかぼちゃと小さなかぼちゃを煮ると、小さいものが先に柔らかくなり、大きいものはまだ硬いということがあります。
そのまま加熱を続けると、小さいものが煮崩れてしまうかもしれません。
同じ種類の食材は、なるべく大きさをそろえて切ると調理しやすくなります。
ただし、異なる食材を一緒に煮る場合は、すべてを同じ大きさにする必要はありません。
硬い食材は小さめに切ったり、柔らかくなりやすい食材は後から加えたりするなど、火の通り方に合わせて工夫しましょう。
煮汁を最初から濃くしすぎない
含め煮を作るとき、味をしっかり付けたいからといって、最初から調味料をたくさん入れる必要はありません。
煮ている間に水分が蒸発すると、煮汁の味が濃くなることがあります。
最初はちょうどよい味でも、仕上がるころには塩辛く感じる場合があるのです。
特に、煮汁を少なくして仕上げるレシピでは注意しましょう。
初めて作る場合は、食材に合ったレシピの分量を参考にし、味を調整するときは少しずつ加えるとよいでしょう。
また、煮汁を薄くすれば必ず味がしみやすくなるわけでもありません。
味のなじみ方には、食材の状態や調味料の濃度、加熱時間などが関係します。
煮汁の濃さだけに頼らず、全体のバランスを考えることが大切です。
弱火で煮て煮崩れを防ぐ
野菜の含め煮では、火加減にも気をつけましょう。
激しく沸騰させると、鍋の中で食材が動いたり、ぶつかったりして、形が崩れやすくなることがあります。
特にかぼちゃや里芋などは、柔らかくなってからの扱いに注意が必要です。
煮汁が沸いた後は、食材の状態に合わせて火を弱め、穏やかに加熱すると形を保ちやすくなります。
また、箸やヘラで何度もかき混ぜると、柔らかい部分が崩れてしまうことがあります。
必要以上に触らず、煮汁が回っているかを確認しながら調理するとよいでしょう。
ただし、含め煮は必ず弱火だけで作る料理ではありません。
最初に中火で加熱したり、仕上げに煮汁を煮詰めたりするレシピもあります。
食材に合った火加減を使い分けることが、おいしく仕上げるポイントです。
火を止めた後も煮汁になじませる
含め煮では、加熱後に食材を煮汁の中に置いて、味をなじませることがあります。
調理直後よりも少し時間を置いたほうが、味がまとまって感じられる料理もあります。
ただし、「冷めると必ず味が中までしみる」という説明には注意が必要です。
調味料の移動は、食材の構造や温度、煮汁の濃度、時間などの影響を受けます。
例えば、高野豆腐のように煮汁を含みやすいものと、厚く切った根菜では、味のなじみ方が異なります。
大切なのは、ただ冷ますことではなく、食材に合った加熱を行い、必要に応じて煮汁の中で仕上げることです。
また、煮物を室温で長く放置すると、食中毒の原因になることがあります。
保存する場合は、浅い容器などに小分けして速やかに冷まし、冷蔵庫で保存しましょう。
鍋のまま長時間置いて味をなじませるのではなく、食べるまでの時間も考えて適切に取り扱うことが大切です。
食材に合わせて煮る時間を調整する
含め煮では、食材によって適した加熱時間が異なります。
例えば、高野豆腐と里芋では、火の通り方も仕上がりの食感も違います。
同じ時間煮れば、同じように味がしみるわけではありません。
また、野菜を長時間煮続けると、柔らかくなりすぎて食感が損なわれることもあります。
そのため、時間だけで判断せず、食材の状態を確認しながら調理することが大切です。
かぼちゃや里芋などでは、竹串を刺して柔らかさを確認する方法があります。
高野豆腐などは、商品に記載された調理時間も参考になります。
「長く煮るほどおいしい」と考えるよりも、「食材に合った時間で仕上げる」と意識してみてくださいね。
含め煮がうまくできないときの原因と対処法
含め煮を作ってみると、思ったように仕上がらないこともあります。
「煮汁には味があるのに食材は薄い」「野菜が柔らかくなりすぎた」など、悩みはさまざまです。
そんなときは、原因を一つずつ確認してみましょう。
調理のポイントがわかると、次に作るときの失敗も減らしやすくなります。
味がしみない・薄く感じるとき
含め煮の味が薄く感じるときは、煮汁そのものの味付けが薄い場合があります。
また、食材が大きかったり、下ごしらえが十分でなかったりすると、思ったような仕上がりにならないこともあります。
まずは、次のポイントを確認しましょう。
・ 煮汁の味付けは適切か
・ 食材が大きすぎたり厚すぎたりしないか
・ 中心まで十分に火が通っているか
・ 食材に合った下ごしらえをしているか
・ 必要に応じて煮汁の中で味をなじませているか
例えば、根菜がまだ硬い場合は、加熱が不足している可能性があります。
一方、すでに柔らかくなっているのに味が薄い場合は、煮る時間を延ばすだけでは改善しないこともあります。
むやみに加熱を続けると煮崩れするため、食材の状態を確認しながら、煮汁の濃さや仕上げ方を見直しましょう。
煮物の味がうまくなじまない場合は、煮物に味がしみない原因と対処法もあわせて確認してみてください。
味が濃くなりすぎたとき
味が濃くなりすぎる原因としては、調味料の入れすぎや煮汁の煮詰めすぎなどが考えられます。
加熱中に水分が蒸発すると、煮汁の塩分や糖分の濃度が高くなることがあります。
煮汁だけが濃くなっている場合は、料理に合う範囲でだしや水を少し加えて調整する方法があります。
ただし、水を一度にたくさん加えると、だしの風味まで薄くなってしまいます。
少量ずつ加えて味を確認するとよいでしょう。
また、すでに食材そのものに濃い味が付いている場合は、煮汁を薄めるだけでは十分に改善しないこともあります。
調理の途中で煮汁の減り具合を確認し、煮詰めすぎないようにすることが大切です。
野菜が煮崩れてしまうとき
かぼちゃや里芋などの野菜は、加熱しすぎると形が崩れやすくなります。
また、鍋の中で何度もかき混ぜることも、煮崩れの原因になる場合があります。
煮崩れを防ぎたいときは、次の点を意識しましょう。
・ 食材を小さく切りすぎない
・ 強火で激しく煮続けない
・ 必要以上にかき混ぜない
・ 柔らかくなったら加熱を終える
・ 必要に応じて落としぶたを使う
特に、野菜が柔らかくなってからは、丁寧に扱うことが大切です。
例えば、かぼちゃを煮る場合は、何度も裏返すよりも、煮汁が回るように工夫しながら加熱すると、形を保ちやすくなります。
すでに煮崩れてしまった場合は、無理に形を戻そうとせず、別の料理に活用する方法もあります。
煮汁が多すぎる・少なすぎるとき
含め煮を作る際、煮汁をどのくらい残せばよいのか迷うこともありますよね。
含め煮は、必ず一定量の煮汁を残さなければならない料理ではありません。
食材やレシピによって、煮汁をある程度残す場合も、煮詰めて仕上げる場合もあります。
煮汁が少なすぎる場合は、焦げ付きに注意し、必要に応じてだしや水を加えましょう。
反対に、煮汁が多すぎる場合は、食材が十分に柔らかくなっていれば、一度取り出して煮汁だけを煮詰める方法もあります。
ただし、煮汁を煮詰めると味も濃くなるため、加熱しすぎないように注意してください。
煮汁の量だけで判断するのではなく、食材の柔らかさや味のバランスを見ながら仕上げるとよいでしょう。
含め煮についてよくある質問
含め煮の意味や作り方がわかっても、実際に料理すると細かな疑問が出てくるものです。
ここでは、初めて含め煮を作る方が気になりやすい質問をまとめました。
含め煮は冷ますと味がしみる?
含め煮は、加熱後に煮汁の中で味をなじませることがあります。
料理によっては、少し時間を置くことで、味が落ち着いて感じられる場合もあります。
ただし、冷ますだけで必ず味が中までしみるわけではありません。
食材の構造や厚み、煮汁の濃さ、加熱状態などによっても違いがあります。
そのため、味をしみ込ませたい場合は、食材に合った加熱や下ごしらえを行ったうえで、必要に応じて煮汁の中でなじませましょう。
なお、常温で長時間放置して味をなじませる方法は、食品衛生の面からおすすめできません。
すぐに食べない場合は、小分けするなどして速やかに冷まし、冷蔵保存することが大切です。
含め煮は煮汁が残っていてもいい?
はい、含め煮は煮汁が残っていても問題ありません。
高野豆腐の含め煮のように、煮汁を含んだふっくらした食感を楽しむ料理もあります。
一方、食材やレシピによっては、煮汁をある程度煮詰めて仕上げることもあります。
「含め煮だから煮汁を必ず残す」「煮汁がなくなったら含め煮ではない」というわけではありません。
食材に煮汁の味を含ませるという調理の特徴を意識すると、理解しやすいでしょう。
含め煮は作り置きできる?
含め煮は、食材や調理方法によっては作り置きにも利用できます。
ただし、水分の多い煮物は保存方法に注意が必要です。
調理後は室温で長時間放置せず、浅い容器などに小分けして速やかに冷まし、冷蔵庫で保存しましょう。
また、清潔な容器や調理器具を使うことも大切です。
保存できる期間は、使った食材や調味料、調理環境、保存温度などによって変わるため、一律には決められません。
冷蔵保存していても、できるだけ早めに食べ切ることをおすすめします。
食べるときは、料理に応じて中心まで十分に再加熱しましょう。
ただし、再加熱すれば長く保存した料理も必ず問題なく食べられるようになるわけではありません。
見た目やにおいだけでは傷みを判断できないこともあるため、保存状態に不安がある場合は食べないようにしてください。
また、冷蔵庫に入れておけば何日でも保存できるというわけではありません。
作り置きをする場合も、保存状態を確認しながら、無理のない範囲で早めに食べ切ることを心がけましょう。
初めて作るならどの食材がおすすめ?
初めて含め煮を作る方には、高野豆腐がおすすめです。
高野豆腐は煮汁を含みやすく、含め煮らしい食感や味わいを感じやすい食材です。
また、商品によっては戻す手間が少ないタイプもあるので、普段あまり煮物を作らない方にも取り入れやすいでしょう。
ただし、商品ごとに戻し方や調理方法が違うため、パッケージの表示を確認してください。
野菜を使いたい場合は、かぼちゃや里芋も選択肢になります。
ただし、柔らかくなると煮崩れしやすいので、火加減や加熱時間に注意しましょう。
最初は一種類の食材で基本の作り方を覚え、慣れてきたらほかの食材にも挑戦すると、無理なく楽しめますよ。
まとめ|含め煮は煮汁の味を食材に含ませる料理

含め煮とは、だしや調味料を使った煮汁の味を、食材に含ませるように仕上げる煮物のことです。
煮物が幅広い料理を指すのに対し、含め煮は食材に煮汁の味を含ませることを重視した調理法です。
また、煮しめや煮付けとも共通する部分がありますが、調理の目的や仕上げ方にそれぞれ特徴があります。
含め煮をおいしく作るためには、次のポイントを押さえておきましょう。
・ 食材に合った下ごしらえをする
・ 大きさや厚さをなるべくそろえる
・ 煮汁を最初から濃くしすぎない
・ 火加減に注意して煮崩れを防ぐ
・ 必要に応じて煮汁の中で味をなじませる
・ 食材に合わせて加熱時間を調整する
味をしっかり付けようとして長時間煮続けるよりも、食材の特徴に合わせて丁寧に調理することが大切です。
また、作り置きする場合は室温で長時間放置せず、小分けして速やかに冷却するなど、保存方法にも気を配りましょう。
含め煮は、特別な材料や難しい技術がなくても、家庭で取り入れやすい和食の一つです。
高野豆腐やかぼちゃ、里芋など、普段の食卓でおなじみの材料から始められます。
ぜひ身近な食材を使って、だしの風味と食材のおいしさを楽しめる含め煮を作ってみてくださいね。

