今回は「信州(しんしゅう)」と「信濃(しなの)」の違いについて、やさしく丁寧にご紹介しますね。
長野県について調べていると、「信州」「信濃」「長野県」という3つの呼び方が出てきて、「結局どれが正しいの?」と思うことがありますよね。
最初に結論からいうと、「信濃」は現在の長野県にほぼ相当する地域の旧国名で、「信州」は信濃国の別称として使われてきた呼び方です。現在の正式な都道府県名は「長野県」です。
この記事では、
- 信州と信濃の読み方
- 信州と信濃の違い
- 信濃は現在のどこなのか
- 長野県との関係
- 現在ではどのように使い分けられているのか
- 「甲信越」の「信」との関係
などを、初めて知る方にもわかりやすく解説します。
歴史好きな方はもちろん、これから長野県を旅行する方も、違いを知っておくと「信州そば」や「信濃の国」といった名称がもっと身近に感じられますよ♪
信州と信濃の違いとは?まずは一言で解説

信州は「しんしゅう」・信濃は「しなの」と読む
まず、読み方を確認しておきましょう。
「信州」は「しんしゅう」、「信濃」は「しなの」と読みます。
そして「信濃国」と書いた場合の読み方は「しなののくに」です。
似た意味を持つ言葉ですが、読み方はまったく違うため、初めて見ると迷ってしまうかもしれませんね。
信濃は旧国名・信州は信濃国の別称
両者の違いを簡単にいうと、
- 信濃(しなの):古くから使われた国名
- 信州(しんしゅう):信濃国を指す別称・通称
- 長野県(ながのけん):現在の都道府県名
「信州」という呼称は平安末期から鎌倉時代にかけて、国名を中国風に「○州」と呼ぶ風潮の中で使われるようになったとされています。
つまり、「信濃」と「信州」は別々の県や地域を表しているわけではありません。
信州・信濃・長野県の違いを一覧表で比較
違いを整理すると、次のようになります。
| 呼び方 | 読み方 | 意味 | 現在の主な使われ方 |
|---|---|---|---|
| 信州 | しんしゅう | 信濃国の別称・通称 | 観光・地域ブランド・商品名など |
| 信濃 | しなの | 古くから使われてきた国名 | 歴史・文化や固有名称など |
| 長野県 | ながのけん | 現在の都道府県名 | 住所・行政など |
「信濃」と「信州」のどちらかが間違いということではなく、時代や使われる場面が違うと考えると分かりやすいですね。
「信州」とは?長野県との関係をわかりやすく解説
信州の意味と名前の由来
「信州」は、現在では長野県を表す名称として広く使われています。
もともとは「信濃国」を別の形で呼んだ名称です。
「州」は国を表す言葉として使われ、「信濃国」を「信州」と呼ぶようになりました。
平安末期から鎌倉時代にかけて、知識人の間で国名を中国風に「○州」と呼ぶことが流行したことが「信州」という呼び方の背景とされています。
信州は何県?現在では長野県全域を指すことが多い
「信州って何県なの?」という疑問への答えは、長野県です。
「信州県」という現在の都道府県が存在するわけではありません。
観光や特産品などで「信州」と書かれていたら、基本的には長野県をイメージすると分かりやすいでしょう。
なぜ長野県を「信州」と呼ぶの?
現在の県名は長野県なのに、なぜ今も「信州」と呼ぶのでしょうか。
理由のひとつは、現在の長野県が歴史上の信濃国とほぼ重なる地域だからです。
そして「信州」という呼称も長い間使われてきたため、県名が長野県になった後も地域を表す言葉として残りました。
「信州」という呼び方には現在でも親しみがあり、地域のイメージを表す名称として広く使われています。
信州そば・信州味噌など現在も使われている「信州」
現在でも「信州」という言葉を目にする機会はたくさんあります。
たとえば、
- 信州大学
- 信州そば
- 信州味噌
- 信州産の野菜や果物
などがあります。
「信州」は歴史上だけの言葉ではなく、現在も観光や食文化、地域ブランドなどで活躍している名称なのですね。
「信濃」とは?読み方と場所をわかりやすく解説
信濃の読み方は「しなの」|信濃国は「しなののくに」
「信濃」の読み方は「しなの」です。
「信濃国」なら「しなののくに」と読みます。
「信濃」という表記には長い歴史があり、7世紀末には「科野国」という表記が確認され、8世紀初めには「信濃国」と書かれるようになったとされています。
信濃はどこ?現在の長野県とほぼ同じ地域
「信濃ってどこ?」と聞かれたら、現在の長野県とほぼ同じ地域と考えて大丈夫です。
ですから、昔の文章や歴史の話で「信濃」という地名が登場したら、現在の長野県周辺を思い浮かべると理解しやすくなります。
「信濃」という名前の由来は?
「信濃」の由来については、ひとつに決まっているわけではなく諸説あります。
古くは「科野」と表記されていたことが知られています。また、「科(しな)の木」が多かったことに由来する説や、「階坂(しなさか)」に関係するという説などがあります。
そのため、語源については「これが絶対に正しい」と断定するより、いくつかの説があると覚えておくのがよいでしょう。
信濃国から現在の長野県になるまで
昔の日本では、現在の都道府県とは異なる「国」という地域区分が使われていました。
そのひとつが信濃国です。
明治維新を迎えると制度が変化し、藩などに代わって県が置かれるようになります。
そして1876年(明治9年)、筑摩県と長野県が統合され、現在につながる長野県が成立しました。
つまり、
信濃国 → すぐ長野県へ名称変更
という単純な流れではありません。
さまざまな行政区分の変化を経て、現在の長野県になったのです。
信州・信濃・長野県はどう使い分ける?

歴史について語るときは「信濃」がよく使われる
「信濃」は歴史的な国名なので、歴史や郷土文化に関する場面で目にすることがあります。
「信濃国」という表現はもちろん、「信濃の国」といった名称にも残っています。
そのため、歴史的な地域として説明するなら「信濃」と覚えると分かりやすいでしょう。
観光・グルメ・地域ブランドでは「信州」がよく使われる
一方、「信州」は現在でも親しみやすい地域名として使われています。
旅行先を探しているときに「信州旅行」「信州グルメ」などの言葉を見かけることもありますよね。
また、「信州そば」「信州味噌」のように、地域の魅力を伝える名称としても定着しています。
観光やグルメ、地域ブランドでは「信州」が使われることが多いと覚えておくとよいでしょう。
現在の住所や行政区分では「長野県」
現在の正式な都道府県名は「長野県」です。
そのため、現在の住所や行政上の都道府県名としては「長野県」を使います。
たとえば、
「信州○○市」
「信濃県○○市」
と書くわけではありません。
信州や信濃は現在も生きている地域名称ですが、現在の都道府県名は長野県という違いを押さえておきましょう。
今も残る「信州」「信濃」の身近な例
「信濃毎日新聞」に残る信濃
「信濃」という名称が現在も使われている身近な例のひとつが「信濃毎日新聞」です。
古くから地域に根づいた名称には、その土地の歴史が感じられますね。
「信州大学」「信州そば」「信州味噌」に残る信州
「信州」の方も、現在の長野県で数多く使われています。
代表的なのが「信州大学」です。
また、食べ物では「信州そば」や「信州味噌」などがよく知られています。
「信州」という言葉には、単なる古い地名というだけではなく、長野県の自然や食、文化をイメージさせる地域名称としての役割もあるのですね。
「甲信越」の「信」は何を意味する?
天気予報などで「甲信越」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は、この「信」は「信濃」を意味します。
甲信越は、
- 甲=甲斐(現在の山梨県)
- 信=信濃(現在の長野県)
- 越=越後(現在の新潟県)
という旧国名を組み合わせた呼び方です。
「信州」や「信濃」の意味を知っていると、「甲信越」という言葉もぐっと理解しやすくなりますね。
信州は北信・東信・中信・南信の4地域に分けられる
長野県は南北に長く、地域によって気候や文化、景観などにも違いがあります。
そのため、県内を大きく、
- 北信
- 東信
- 中信
- 南信
の4つに分けて表現することがあります。
北信エリア
北信は長野県北部の地域です。
長野市周辺などを含み、北部ならではの自然や文化があります。
東信エリア
東信は長野県東部の地域です。
上田や佐久方面などがあり、歴史や高原の魅力を楽しめる地域です。
中信エリア
中信は長野県中西部に位置する地域です。
松本や安曇野方面などがあり、山岳観光でもよく知られています。
南信エリア
南信は長野県南部の地域です。
伊那や飯田方面などがあり、北部とはまた違った自然や文化を楽しめます。
このように、ひとことで「信州」といっても地域によってさまざまな特色があります。
信州と信濃についてよくある質問
信州と長野県は同じですか?
現在の地域を指す日常的な使い方では、信州は長野県を指す呼び名と考えてよいでしょう。
ただし、「長野県」は正式な都道府県名で、「信州」は歴史的背景を持つ地域の呼び名という違いがあります。
信濃と長野県は同じですか?
完全に同じ言葉ではありません。
信濃は歴史上の国名で、長野県は現在の都道府県名です。
ただし、信濃国の範囲は現在の長野県とほぼ一致します。
信州県や信濃県という県はありますか?
現在、「信州県」「信濃県」という都道府県はありません。
正式名称は長野県です。
「信州」や「信濃」は、歴史や文化、観光、商品名などに現在も残っている呼称です。
信州と信濃はどちらが古い呼び方ですか?
古いのは「信濃」です。
さらにさかのぼると「科野」という表記も確認されています。
7世紀末には「科野国」の表記があり、8世紀初めには「信濃国」と書かれるようになりました。一方、「信州」という呼称は平安末期から鎌倉時代にかけて使われるようになったとされています。
長野県民は「長野」と「信州」のどちらを使いますか?
これは場面によって異なるため、「県民は必ずこちらを使う」とは言い切れません。
ただ、「信州」という名称には現在も強い親しみがあります。
行政上は「長野県」、地域のイメージやブランドを表現するときは「信州」というように、場面に応じて使われています。
まとめ|信州と信濃の違いを覚えて長野をもっと楽しもう

今回は、「信州」と「信濃」の違いについてご紹介しました。
ポイントをまとめると、
- 「信州」の読み方は「しんしゅう」
- 「信濃」の読み方は「しなの」
- 「信濃国」は「しなののくに」と読む
- 信濃は歴史的な国名
- 信州は信濃国の別称・通称として使われてきた
- 信濃国は現在の長野県とほぼ同じ地域
- 現在の正式な都道府県名は「長野県」
- 観光やグルメ、地域ブランドでは「信州」が現在もよく使われる
- 「甲信越」の「信」は「信濃」を意味する
となります。
一番簡単に覚えるなら、「信濃=歴史的な国名」「信州=信濃国の別称」「長野県=現在の正式な県名」と整理すると分かりやすいでしょう。
意味を知ってから長野県を訪れると、「信州そば」「信州味噌」「信濃の国」など、これまで何気なく目にしていた言葉にも歴史や文化が感じられるようになります。
信州を旅するときには、ぜひそんな名前の違いにも注目してみてくださいね♪

