「学校の宿題で詩を書くことになったけれど、何を書けばいいのかわからない」
「テーマは決まったのに、最初の一行が思いつかない」
「作文みたいになってしまって、詩らしく書けない」
こんなふうに悩んでいませんか?
詩は自由に書けるぶん、「正解がわからなくて難しい」と感じやすい課題です。
でも、中学生が詩を書くときに、特別な出来事や難しい言葉を用意する必要はありません。
学校であったこと、部活の帰り道、友達との会話、家族と過ごした時間、雨の日の景色など、いつもの生活の中にも詩の題材はたくさんあります。
大切なのは、身近な出来事の中から「少し心に残った瞬間」を見つけて、そのとき見えたものや聞こえた音、感じたことを言葉にしてみることです。
この記事では、中学生でも取り組みやすいように、**詩のテーマの決め方、言葉の集め方、詩らしくする表現のコツ、テーマ別の例文**まで順番に紹介します。
例文もいくつか掲載しますが、そのまま使うのではなく、「自分だったらどんな景色だったかな?」と考えるためのヒントとして活用してくださいね。
中学生の詩はどう書けばいい?まずは基本を知ろう

「詩を書いてください」と言われると、きれいな言葉や感動的な文章を書かなければいけないように感じるかもしれません。
けれども、最初から上手な作品を作ろうとしなくても大丈夫です。
詩にはさまざまな表現の仕方があり、「この形でなければ詩ではない」という一つの決まりがあるわけではありません。
まずは、自分が実際に見たもの、聞いたもの、そのとき感じたことを素直に言葉へ変えてみましょう。
詩と作文の違い
作文では、出来事や自分の考えを、相手にわかるように順序立てて説明することが多いですよね。
たとえば、
「部活が終わったあと、友達と帰っていたら夕日がとてもきれいで、疲れていたけれど少し元気になりました」
と書けば、その日の出来事や気持ちが伝わります。
一方、詩では出来事を最初から最後まで説明しなくてもかまいません。
たとえば、
「練習を終えた帰り道
オレンジ色の空が
汗ばんだ頬を照らしていた」
というように、一つの場面だけを切り取って表現することもできます。
作文では「何があったか」を説明することが中心になりやすいのに対して、詩では**その瞬間の景色や音、気持ち、言葉の響き**を大切にできます。
ただし、「短ければ詩になる」「改行すれば詩になる」というわけではありません。
説明を増やすよりも、「どの言葉を残したいか」「どの場面を読んだ人に想像してほしいか」と考えて言葉を選ぶと、詩らしい表現に近づきやすくなります。
難しい言葉を使わなくても詩は書ける
「詩だから難しい表現を使わなくては」と思う必要はありません。
普段使わない言葉を無理に並べるよりも、自分が本当に見たり感じたりしたことを具体的に書くほうが、場面が伝わりやすいことがあります。
たとえば、
「とても暑かった」
という言葉だけでは、どのくらい暑かったのか想像しにくいかもしれません。
そこで、
「制服の背中に汗がくっつく」
「水筒の氷がカランと鳴った」
などと書いてみます。
すると、「暑い」と直接書かなくても、その場面の様子を想像しやすくなります。
「上手な言葉を探そう」と考えるより、
「そのとき何が見えた?」
「どんな音がした?」
「体はどう感じた?」
と自分に問いかけてみると、詩に使える言葉を見つけやすくなりますよ。
中学生でも取り組みやすい!詩の書き方4ステップ
何もない状態から、いきなり完成した詩を書こうとすると難しく感じます。
「何を書けばいいのかわからない」「書き始めても途中で止まってしまう」と悩むこともあるでしょう。
でも詩は、最初から完成形を目指す必要はありません。
むしろ、**小さな材料を少しずつ集めて組み立てていく作業**だと考えると、取り組みやすくなります。
そこで、次の4つのステップに分けて考えてみましょう。
**テーマを決める → 言葉を集める → 短い行にする → 見直す**
この流れを意識すると、「何から始めればいいかわからない」という状態から進みやすくなります。
途中で迷ったら、前のステップに戻って考え直してもかまいません。
詩は一度で仕上げようとせず、少しずつ形を整えていくものだと考えてみてください。
ステップ1:身近な出来事からテーマを1つ決める
まずは、詩のテーマを一つ決めましょう。
テーマというと、「友情」「未来」「命」など、大きくて立派な言葉を考えなければいけないように思うかもしれません。
しかし、詩はもっと身近で小さな出来事からでも書くことができます。
中学生の詩では、**日常の一瞬を切り取ることで、自分の経験が伝わる作品にしやすくなります。**
たとえば、次のようなものもテーマにできます。
* 雨の日の登校で感じたこと
* 部活が終わったあとの疲れた帰り道
* 友達と何気なく笑った休み時間
* テスト前日の少し緊張した夜
* 夏休みの夕方の静かな時間
* 家族と食べた朝ごはんの風景
* 電車を待っているときのぼんやりした時間
* 試合の前に靴ひもを結んだ瞬間の緊張感
* 放課後の誰もいない教室の空気
* 帰り道で見上げた空の色
こうした「一瞬の場面」も、詩を書くための材料になります。
ポイントは、できるだけ**自分が実際に見たり経験したりした場面を選ぶこと**です。
実際の経験を振り返ると、そのときの細かな感覚を思い出しやすくなります。
また、「部活」という大きなテーマだけで考えるよりも、
* 練習が終わって水を飲んだ瞬間
* ボールが手に当たった感覚
* 試合に負けて帰るバスの中の静けさ
* 先生に注意されたあとの気まずい空気
のように、**場面をできるだけ小さく切り取ること**もポイントです。
範囲を小さくすると、見えた景色や感じたことを具体的に思い出しやすくなり、詩にする言葉も探しやすくなります。
ステップ2:五感を使って言葉をたくさん集める
テーマを決めたら、すぐに詩の形にしようとせず、まずは材料となる言葉を集めます。
ここで役に立つのが「五感」です。
五感とは、次の5つの感覚のことです。
* 見る(視覚)
* 聞く(聴覚)
* かぐ(嗅覚)
* 味わう(味覚)
* 触れる(触覚)
詩を書くときに五感を意識すると、一つの出来事からさまざまな言葉を探せます。
たとえば「夏の部活」をテーマにするなら、次のように分けて考えられます。
* 見えたもの:青空、まぶしい日差し、グラウンドの土、転がるボール、流れる汗
* 聞こえたもの:セミの大きな声、先生の掛け声、ボールが床に弾む音、スパイクの音
* 感じたもの(触覚):焼けた地面の熱さ、額から流れる汗、乾いていく喉、重くなる足
* 匂い:土の匂い、体育館のこもった空気、芝生の青い匂い
* 気持ち:疲れた、悔しい、楽しい、まだやれる気がする、負けたくない
このように分けて考えると、一つの出来事を細かな要素に分けて見つめられます。
この段階では、きれいにまとめる必要はありません。
思いついたものをどんどん書き出してみましょう。
あとから見返して、「これは使えそう」「この言葉は残したい」と選べば十分です。
言葉をたくさん集めておくことで、詩を組み立てるときに使える材料が増えていきます。
ステップ3:集めた言葉を短い行にして並べる
次は、集めた言葉を使って実際に詩の形にしていきます。
ここで大切なのは、「文章として完璧に書こうとしすぎないこと」です。
出来事を最初から最後まで説明するだけではなく、印象に残った部分を選んでみましょう。
たとえば、次のような文章があったとします。
「夏の暑い日に部活をしていたら、セミが大きな声で鳴いていて、とても暑かった」
ここから印象に残ったものを切り取ると、
セミの声
ボールの音
額から落ちる汗
というように表現できます。
短く区切ることで、一つひとつの音や景色を想像しやすくなります。
さらに、そこに気持ちや変化を加えてみます。
セミの声
ボールの音
額から落ちる汗
もう無理だと思ったのに
「あと一本」で
また走っていた
このように、「見えたもの」と「感じたこと」を組み合わせると、その場面で起きた心の動きも表現できます。
改行の場所に一つの正解があるわけではありません。
**どこで一度止めると気持ちが伝わりやすいか**を考えてみましょう。
* ここで一呼吸置きたい
* この言葉を印象に残したい
* この場面をゆっくり読んでほしい
そう感じる場所で区切ってみてください。
ステップ4:声に出して読んで見直す
一通り書けたら、声に出して読んでみる方法があります。
詩は目で読むだけでなく、音として確かめることで気づけることもあります。
たとえば、次のような点をチェックしてみましょう。
* 同じ言葉が何度も繰り返されていないか
* 一行が長くなりすぎていないか
* 出来事を説明しすぎていないか
* 一番伝えたい場面がぼやけていないか
* 読んだときのリズムに違和感がないか
* 改行の位置が自分の表したい雰囲気に合っているか
もし読みにくい部分があれば、書き直してかまいません。
詩は一度書いたあとに、**言葉を削ったり、並べ替えたり、表現を整えたりすることで仕上げていくこともできます。**
ときには、言葉を足すより「減らす」ことで、伝えたい部分が見えやすくなる場合もあります。
不要だと感じた言葉を見直し、自分が残したい言葉を選んでいきましょう。
詩のテーマが思いつかない中学生におすすめの題材一覧
「書き方はなんとなくわかったけれど、そもそも何を書けばいいのかわからない」
そんなときは、特別な出来事を探そうとしなくても大丈夫です。
今日や昨日の出来事を思い返すだけでも、テーマの候補は見つけられます。
学校生活・部活動から探す
中学生にとって学校は、一日の多くを過ごす場所です。
そのため、身近な出来事から詩の材料を探しやすいでしょう。
たとえば、
* 朝の教室
* 席替え
* テスト
* 休み時間
* 給食
* 掃除
* 放課後
* 部活動
* 試合
* 体育祭
* 文化祭
* 合唱コンクール
* 委員会活動
などがあります。
「体育祭」という大きなテーマでは書きにくければ、
「スタート前に手が冷たくなった瞬間」
「終わったあとのグラウンド」
「応援してくれた友達の声」
のように、一つの場面へしぼってみましょう。
テーマが具体的になるほど、そのとき見たものや聞いた音を思い出しやすくなります。
家族・友達・日常生活から探す
家族や友達との何気ない時間も、詩の題材になります。
たとえば、
* 毎朝作ってもらうお弁当
* 友達と歩く帰り道
* きょうだいとのけんか
* 家族と食べた夕食
* 友達とのメッセージ
* 休日に寝坊した朝
* 自分の部屋で過ごす夜
などです。
人だけでなく、
* 通学カバン
* スマホ
* 目覚まし時計
* 自転車
* 靴
* 学習机
といった身近な物をテーマにしても面白いでしょう。
毎日見ている物だからこそ、自分だけが知っている思い出や感覚があるかもしれません。
春夏秋冬・天気から探す
季節や天気は、色や音、温度などを表現しやすいため、初めて詩を書く人にも取り組みやすい題材です。
春なら、
* 桜
* 春風
* 新しい教室
* 新しい制服
夏なら、
* セミ
* 入道雲
* 夕立
* 夏休み
* 冷たい飲み物
秋なら、
* 落ち葉
* 虫の声
* 夕暮れ
* 体育祭
* 文化祭
冬なら、
* 白い息
* 手袋
* 冷たい風
* 雪
* 暗くなるのが早い帰り道
などがあります。
たとえば雨の日なら、
「傘に当たる雨の音」
「濡れた靴下」
「水たまりに映る空」
「湿った制服」
など、目・耳・肌で感じるものを探してみましょう。
気持ちからテーマを探す
最近強く感じた気持ちから、テーマを見つける方法もあります。
たとえば、
* うれしかった
* 悔しかった
* 緊張した
* 寂しかった
* 楽しかった
* 不安だった
* ほっとした
などです。
ただし、「悔しさ」「うれしさ」という言葉だけでは、何を書けばよいかわからなくなることがあります。
そこで、
「いつ、どこで、その気持ちになった?」
と考えてみましょう。
「試合に負けて悔しかった」なら、
試合終了の笛、ベンチ、自分の靴、友達の顔、帰り道など、具体的な場面へ広げられます。
気持ちを直接説明するだけではなく、その気持ちが生まれた瞬間を描いてみるのがポイントです。
最初の一行が書けないときはどうする?
テーマは決まったのに、一行目が思いつかなくて手が止まってしまうこともあります。
そんなときは、「すごい一行を書こう」と考えすぎないことが大切です。
まず、その場面で一番印象に残っているものから始めてみましょう。
「見えたもの」から始める
新学期をテーマにするなら、
「窓の外で
桜が揺れている」
のように、目に見えたものから始められます。
雨の日なら、
「校門の前に
色とりどりの傘が並んでいる」
という始まり方もできます。
最初に景色を見せると、読んだ人が場面を思い浮かべるきっかけになります。
「音」や「体の感覚」から始める
音や体の感覚を最初に書く方法もあります。
「キーンコーン
いつものチャイムが鳴る」
「冷たい風が
制服の袖から入ってくる」
「ボールが床に当たる音が
体育館に響く」
などです。
「寒かった」「うるさかった」と説明する代わりに、実際の音や感覚を書くことで、その場の様子を表すこともできます。
誰かの言葉から始める
心に残った会話があるなら、その言葉を一行目にする方法もあります。
たとえば、
「また明日」
という友達の一言から、放課後の景色やそのときの気持ちへ広げられます。
「大丈夫?」
「頑張ろう」
「おかえり」
など、何気ない言葉でも、自分にとって印象に残ったなら題材にできます。
最初の一行だけで作品のすべてを決める必要はありません。
まず書き出して、最後まで書いてから一行目を見直す方法もありますよ。
普通の文章を「詩らしく」する表現のコツ

詩の基本的な形ができたら、表現を少し工夫してみましょう。
国語の授業で習う表現技法を取り入れる方法もあります。
ただし、技法は多く使えばよいわけではありません。
自分が伝えたい場面に合うものを、一つか二つ試してみるだけでもよいでしょう。
五感を使って場面を具体的にする
「今日は暑かった」
という一文だけでは、読んだ人がそのときの様子を具体的に想像しにくいかもしれません。
そこで、
「アスファルトから
熱がのぼってくる」
「首の後ろを
汗がゆっくり流れていく」
など、目や肌で感じたことを書きます。
同じように、「楽しかった」「悲しかった」と気持ちを説明する前に、
「そのとき何が見えた?」
「どんな音がした?」
「自分の体はどう感じていた?」
と考えてみましょう。
五感を使うと、ありきたりな言葉だけに頼らず、自分の経験を表現しやすくなります。
比喩を使ってイメージを広げる
比喩とは、あるものを別のものにたとえて表現する方法です。
たとえば、
「雲がわたあめみたいに浮かんでいる」
「夕日が大きなオレンジみたいに沈んでいく」
など、「〜みたい」「〜のよう」と考えると始めやすいでしょう。
大切なのは、無理に珍しい表現を作ろうとしないことです。
自分がその場面を見たときに、
「何かに似ているな」
と感じたものを、自分なりの言葉にしてみましょう。
擬人法やオノマトペを使う
物や自然を、人のように表現する方法を「擬人法」といいます。
たとえば、
「風が背中を押してくる」
「太陽が窓からのぞいている」
などです。
また、
「ぽつぽつ」
「ザーザー」
「さらさら」
「カラン」
など、音や様子を表す言葉も使えます。
こうした言葉は、その場面の音や動きを表す方法の一つです。
ただし、同じ詩の中にたくさん入れると、読みづらく感じる場合もあります。
印象に残したい場所で取り入れてみるとよいでしょう。
繰り返しや体言止めで印象を残す
同じ言葉をあえて繰り返す方法もあります。
たとえば、
「走る
走る
ゴールまで」
とすると、「走る」という言葉が印象に残ります。
繰り返しは、強い気持ちや勢いを表したいときに使える表現方法の一つです。
また、
「窓の向こうに広がる
夏の空」
のように、最後を名詞で終える表現を「体言止め」といいます。
文章を最後まで説明しきらず、余韻を残したいときに使われる方法です。
表現技法は「使わなければならないもの」ではありません。
学校の課題で指定されている場合を除き、まず普通に書いてから、「ここをもう少し印象的にしたい」と感じる部分で試してみましょう。
普通の一文が詩になるまでを見てみよう
ここでは、何気ない出来事から詩を作る流れを、実際に追ってみます。
「どう考えれば詩になるの?」と迷っている人は、同じ順番で自分の出来事を整理してみてください。
まずは出来事を普通の文章で書く
今回の題材は、
**「部活が終わって、友達と帰る途中に夕日を見た」**
とします。
この段階では、詩らしくなくてかまいません。
最初に「何があったのか」を普通の文章で書いておくと、作品の中心になる場面を整理しやすくなります。
自分の場合も、
「雨の日に学校から帰った」
「テストが返ってきた」
「友達とけんかした」
というように、一文で出来事を書いてみましょう。
五感と気持ちを加えて言葉を広げる
次に、その場面を思い出して材料を集めます。
今回なら、
* オレンジ色の夕日
* 汗でぬれたシャツ
* 少し涼しくなった風
* 友達の笑い声
* 重たいカバン
* 足の疲れ
* 今日も頑張ったという気持ち
などがあります。
ここで大切なのは、「詩らしい言葉」を無理に探すことではありません。
実際に見えたものや感じたことを、まず並べてみましょう。
材料が増えれば、その中から使いたい言葉を選べるようになります。
改行と表現を工夫して詩に仕上げる
集めた材料を使うと、たとえば次のような詩にできます。
**「帰り道」**
重たいカバン
汗の残ったシャツ
さっきまで暑かった風が
少しだけやさしい
隣から聞こえる
友達の笑い声
オレンジ色の空に
今日の疲れを置いて帰ろう
最初の一文だった
「部活が終わって、友達と帰る途中に夕日を見た」
という出来事から、
景色、体の感覚、音、気持ちを加えることで、場面が少しずつ具体的になりました。
大切なのは、この例と同じ表現を使うことではありません。
自分の帰り道なら何が見えるのか、誰と歩くのか、どんな音が聞こえるのかを考えてみましょう。
同じ「部活の帰り道」というテーマでも、体験する人が違えば、出てくる言葉も変わります。
【テーマ別】中学生向けの詩の例文と作り方
ここからは、テーマ別に短い例を紹介します。
例文は、そのまま学校へ提出するためのものではありません。
**どんな場面を選ぶのか、どんな言葉を使えるのかを考えるための参考**として活用してください。
自分の経験や見た景色へ置き換えると、自分らしい作品を作りやすくなります。
春・新学期をテーマにした詩
**「新しい教室」**
知らない机
知らない席
窓から入った春の風が
新しい教科書をめくる
まだ少しだけ
落ち着かない朝
春の詩というと桜を思い浮かべやすいですが、新学期ならではの物や気持ちも題材になります。
たとえば、
* 新しい教科書の匂い
* 初めて座る席
* 知らないクラスメート
* 新しい先生の声
* 廊下から見える桜
などです。
「春」という大きなテーマではなく、「始業式の日の教室」というように一つの場面へしぼると書きやすくなります。
夏・部活動をテーマにした詩
**「夏の練習」**
セミの声
ボールの音
額から落ちた汗が
地面に消える
「あと一本!」
その声に
もう一度走り出す
夏は、音や温度を言葉にしやすい季節です。
自分が運動部でなければ、
* 吹奏楽部の楽器の音
* 美術室に差し込む日差し
* 図書室の静けさ
* 帰宅途中の暑さ
などに置き換えてもよいでしょう。
自分が所属している部活動だからこそわかる音や匂い、道具などを入れると、自分自身の経験を表現しやすくなります。
秋・学校行事をテーマにした詩
**「文化祭のあと」**
にぎやかだった教室に
夕日だけが残っている
壁の飾りを外すたび
昨日までが
少し遠くなる
学校行事は、本番の場面だけでなく、その前後も題材になります。
たとえば、
* 体育祭の練習
* 文化祭の準備
* 行事が終わった教室
* 片付けの時間
* 友達と残った放課後
などです。
「楽しかった」と直接書くのではなく、行事が終わったあとの静けさを描くことで、終わってしまった寂しさを表現する方法もあります。
冬・寒い朝をテーマにした詩
**「冬の通学路」**
白い息を
ひとつ吐く
ポケットの中で
手をぎゅっと握る
学校までの道が
今日は少し長い
冬の寒さは、
* 白い息
* 冷たい指
* 手袋
* マフラー
* 冷えた自転車のハンドル
など、体の感覚から表現できます。
「寒い」と何度も書くより、寒さを感じた具体的な様子を探してみましょう。
友情をテーマにした詩
**「また明日」**
くだらない話で笑って
いつもの角で立ち止まる
「また明日」
たったそれだけなのに
明日も少し楽しみになる
友情について書くときは、
「友達は大切です」
「ずっと仲良くしたいです」
と気持ちを説明するだけでなく、一緒に過ごした具体的な場面を思い出してみましょう。
帰り道、休み時間、部活、何気ない会話など、特別ではない時間の中にも友情を感じる瞬間があります。
日常生活をテーマにした詩
**「目覚まし時計」**
鳴る
止める
また鳴る
また止める
カーテンの向こうは
もう朝なのに
詩には、特別に感動的な出来事だけを書く必要はありません。
朝なかなか起きられないこと、電車を待つ時間、冷蔵庫を開けたときなど、普通の生活も題材になります。
「こんなことでいいのかな?」と思うような出来事から、自分の生活らしい表現が生まれることもあります。
気持ちを書くのが恥ずかしいときのコツ
詩を書くときに、
「自分の気持ちを人に読まれるのが恥ずかしい」
と感じる人もいるでしょう。
特に学校へ提出する作品では、先生やクラスメートに読まれる可能性を考えて、書きにくく感じることもあるかもしれません。
無理に本音をそのまま書かなくても、気持ちを表現する方法はあります。
感情をそのまま書かず風景で表現する
たとえば、
「寂しかった」
と直接書く代わりに、
「誰もいなくなった教室に
時計の音だけが残っている」
と風景を書く方法があります。
「悲しい」「うれしい」と言葉で説明しなくても、周りの景色を通して気持ちを表現できる場合があります。
もし感情を書くのが恥ずかしいなら、
「そのとき、周りに何があった?」
と考えてみてください。
空の色、教室の様子、友達の声、雨音などから表現できるかもしれません。
自分以外のものを主役にしてみる
自分自身を中心にすると書きにくい場合は、身近な物を主役にする方法もあります。
たとえば、
* 毎日履いている靴
* 雨の日の傘
* 部活で使うボール
* 教室の机
* 通学カバン
* 目覚まし時計
などです。
「もし、このカバンが一日を見ていたら?」
「もし、この靴が話せたら?」
と考えてみると、いつもとは違った視点で詩を書けます。
自分の気持ちを直接語らなくても、物の視点を借りることで表現できることがありますよ。
学校に提出する前に確認したいポイント
詩が完成したら、すぐに提出するのではなく、一度見直してみましょう。
表現だけでなく、学校から指定された条件を守っているか確認することも大切です。
課題で指定されたルールを確認する
学校の課題では、
* テーマ
* 行数
* 文字数
* 用紙
* 題名の書き方
* 氏名を書く場所
* 使用する表現技法
などが指定されることがあります。
一般的な詩の書き方よりも、**先生や学校から指定されている条件を優先**しましょう。
「原稿用紙に書くのか」「別の用紙なのか」なども課題によって異なります。
提出前に、配布されたプリントや授業中の説明をもう一度確認しておくとよいでしょう。
説明しすぎて作文になっていないか確認する
自分の作品を読み返して、
「〜しました」
「そして〜しました」
「そのあと〜しました」
と、出来事を順番に説明する文章ばかりになっていないか確認してみましょう。
もちろん、こうした文章が入ってはいけないという意味ではありません。
ただし、
「この一文をなくしても、場面は伝わるかな?」
と考えると、必要な言葉を選びやすくなります。
説明を少し減らして、景色や音、気持ちを表す言葉を残すと、作品の印象が変わることがあります。
自分で声に出して読んでみる
詩は、声に出して読むことで気づけることがあります。
たとえば、
「ここだけ長くて読みにくい」
「同じ言葉が続きすぎている」
「ここで改行したほうが読みやすい」
といった点です。
できれば、少し時間を置いてからもう一度読む方法もあります。
書いた直後には気づかなかった部分が見つかるかもしれません。
例文をそのまま使わず自分の体験に置き換える
インターネットや本に載っている例文は、書き方を理解するための参考になります。
ただし、そのまま自分の作品として提出するのではなく、自分の経験に置き換えて考えましょう。
たとえば、例文に「夕日」が出てきたなら、
「自分の帰り道では何が見える?」
「その日はどんな天気だった?」
「誰と一緒だった?」
「どんな音が聞こえた?」
「どんな気持ちだった?」
と考えてみます。
同じ「帰り道」というテーマでも、見る景色や体験は人によって違います。
その違いが、自分らしい詩につながります。
まとめ|中学生の詩は身近な出来事から始めると書きやすい

中学生が詩を書くときは、最初から特別なテーマや難しい表現を探す必要はありません。
まずは、
**テーマを決める → 五感を使って言葉を集める → 短い行にしてみる → 声に出して見直す**
という流れで進めてみましょう。
テーマが思いつかないときは、学校、部活、友達、家族、季節、通学路など、自分の毎日を振り返ってみてください。
「雨で靴がぬれた」
「友達と帰った」
「朝が寒かった」
「テストが返ってきた」
といった何気ない出来事にも、詩にできる材料があります。
詩らしくしようとして難しい言葉をたくさん使うよりも、**自分が実際に見たもの、聞いた音、感じたことを、自分なりの言葉で表してみること**が大切です。
最初の一行がうまく書けなくても、まず材料になる言葉をいくつか書き出してみてください。
そこから少しずつ並べ替えたり、削ったり、改行したりしていけば、作品の形が見えてきます。
まずは今日一日の中から、「少しだけ心に残った瞬間」を一つ選ぶところから始めてみてくださいね。
